母からの電話

一昨日、母から電話が来ました。

夜の9時くらい。もしかして父が眠るのを待ってから電話をくれたのかな、という時間でした。

「読んだよ」と。
前半、とても冷静に話が出来ました。
やっぱりいきなり電話とかだと、上手く説明できなかっただろうなと、そんなことを考えてる自分がいたり。

母は月末に説明を聞きに行く時に、「一緒に行こうか?」と言ってくれたのですが、固辞しました。
父の世話(平たく言えば介護)もあるし、何より「まぁ入院とかってことになれば、どうやっても来てもらわないとダメだと思うから、その時にとっておいて」って。

今まで、本当に怪我も大病もしないままでここまで来たんで……

そういうことへの不安もあるのかも、って改めて思いましたね。

弟が二人いるんですが、下の弟は昔っからやんちゃで、何かと怪我したりして、しょっちゅう入院とかしてるんですよ。その話を他人事に聞いてたんですが……

いざ自分となると、聞いてたこととか殆んど覚えてないことに愕然としたり。

でも、やっぱり話してたら、どんどん溜まってた不安とかが大きくなっていって、やっぱり泣いてしまいました。

ただ、母は「心配しなくていいから、後悔しないように、乃亜は乃亜のいいと思う先生の下で、納得の行く治療をしてもらいなさい、後のことはお母さんがなんとかするから」と言ってくれました。

あぁ、やっぱり母は母だなぁと。

すごく不謹慎な話なんですが、今の母は父の介護と世話に気を張ってて、それで持ってるように見えるところがある。
でも父は、正直限界なんです、多分。
いつ、何があってもおかしくない。

もし、父が先に逝ってしまったら、母はどうなってしまうんだろう、緊張が切れて、そのまま付いていってしまうんじゃないか、そんな不安を抱いたこともありました。
でも……父に何かあっても、今なら私に今度は気が気じゃなくて神経を張り詰めて、生きがいにして生きていくのかも知れないとふと思いました。

そういう「意味」があってもいいかも知れない。

私の「生」に。

私がここに「生きる意味」とかすごく書いてるんですが、それはやっぱり確認作業なんですよね。

本当は意味なんてないかもしれないと思うことはある。
いや、それ以上に私にはまだ「やりたいこと」「みたいもの」「感じたいこと」他、他……
「生きていたい」ことが山のようにあって、それは……それでいいんですよ。

ただ、自分の経験上、「鬱」った時に。

他者の存在がないと、すごく弱い。

心が強い時には「自分が生きたいから、生きるんだ」「意味なんてなくたって、生きてたっていいじゃない」って思うんですが、弱った時。
「人から必要とされないんじゃ、私が『生きてる意味ないんじゃない?』って思ったら、意味ってないよね」とか……分かるかな。

「生きていたいから、頑張る」から「生きていてもしょうがないと思うんだったら頑張らなくってもいいんじゃない?」っていう悪魔の囁きに変わる瞬間があったりする。
「だって誰かの為じゃないんだし」って。

「私の為に生きるというんなら、私が認められない『生』を何のために?」って。

もしそこに「私を必要としてくれる誰か」がいるのなら、その「悪魔の囁き」を「その誰か」の為に乗り切れることができるんだけどね……

鬱の時に自死を選ぶ人がいるのは、多分……「死にたい」と思ってるわけじゃない。
多分「生きていてもしょうがないじゃん?」という無力感じゃないのかな?

積極的に「死にたい」と思えるのならば、そこにはまだ「エネルギー」がある。
でも、そうじゃない気がするんだ。自分の経験でしかないから、違うのかも知れないけど。
「生きていてもいい。でも生きてなくてもいい」っていう危ない刃の上を歩いてるようなものだと……
それが「生きていなくてもいいんじゃない?」っていう時に、何かの弾みで辛いことがあると、そっちの方にばたっと行っちゃうんじゃないかなって。

治りかけの時に自死を選ぶ人が多いっていうのも、結局頑張って「鬱」を抜け出そうとするんだけど、治りかけの頃に息切れしちゃうんじゃないのかな。「なんでこんなに頑張ってるんだろう」って。
どん底の時には、とりあえず「なんとかしなきゃ」って危機意識が強いから、まだ気を張ってるんだろうけど、治りかけて来た頃ふと、「ここまで頑張ったんだから、もういいんじゃない?」とか。「このまま治って、大丈夫なのかな」とか。

そんな気がする。

解決策は見つからない。
なんか、この前ちょっと見えた気がしたけど、雲を掴むような気分で、まだ形にならない。

ただ……私はこうやって、自分の思ってることを言葉にすることが出来る。
言葉にするってことは「わかって欲しい」「伝わって欲しい」という意志があってこそ出来ることだから、そういう意味ではまだ大丈夫って……

そんな風に思ってます。

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