源氏花ごよみスタートの一つ目のお話は、「末摘花」にしたわけだけれど。
スタートしたした言う割りに、なんだかペースが遅いとか、そういうのはあまり気にしないでください……
でもって、何から書くか、という話なのですが。
まずはこの「末摘花」のお話、反響があってびっくりしました。
皆さん、結構知ってるし好きなんですね、源氏。いや、そう思ってたから始めた部分もあるんですけど。
そして、やっぱり皆さんにとっても「末摘花」というのは気になる存在だったんだなぁ……とそんなことを思いました。
末摘花って、源氏の3ブス(……こういう言い方をするものなのかどうかは知りませんが、私的に)でもあり、3バカ(同上)でもあり……おそらく「私絶対に末摘花がいいの!大ファンなの!」という人は圧倒的に少なくて、普通は紫の上とか明石とか、あるいは藤壺とか、ちょっと違って葵とか朧月夜とか……いくらでも女の人好みの女の人がいるわけで、……
でも、誰からも気に留められているのが末摘花、なんですね、多分。
この、圧倒的存在感は、おそらくアンチヒロイン(でも敵役ではない)の存在感だと思います。
こんな人間を書いた紫式部というのはいや、なんというか……
しかも源氏物語の中の源氏は、どっちかというとイヤな男です。女性から見て。だってとっかえひっかえですもの。
でも、末摘花を見放さなかった(というか、なんというか)の辺りで、微妙にその「イヤ」な部分が緩和されてたり。
「『実はいい人』の源氏」という役作りに一役買ってるというか。
末摘花は本当にブスだったのか、という辺りは、小説の方の後書きでも書いているのでここでは割愛しますが(というか、小説の方のテーマです)、もう一つ。
いわゆるオバカ疑惑。
これもね……源氏物語の中では、救いようがない書かれ方なんですよ。いやもう、紫式部、冷酷非情って感じで。
ただね、彼女にとっては源氏は「初めての男」なんですよ。
当時の源氏は六条にしろ、夕顔にしろ、空蝉にしろ、藤壺にしろ、……相手は熟女や人妻がほとんどで。そんな女性達と比較してですよ、古臭い貧乏宮家育ちで、もしかして一生独身かしらと思ってた節もある女性を強引にやっちゃって、「うちとけてくれない」も「情緒がない」もへったくれもないっつーねん!(笑)
思わず熱くなってしまいましたが。
そういうわけで、私は末摘花、もう少しなんとかならんのかな~と、思っていたと。でもって、きっとそう思ってた人も少なくなかったんだろうな~と。
とりとめがなくなってきましたが。
そんなことを思う、末摘花の巻でした。