私にとっての源氏物語 1

初めて読んだのは、小学校の6年の時だったと思う。
すでに名前は知っていたけれど、当時の私はSF(それも海外モノ)やミステリーなんかが好きで、あんまり興味を引かれる存在ではなかった。
けれど、当時、一日に1冊本を読む、という目標を自分に課していて(それは図書館の本を読んでいたのだけれど)私のよく読むタイプの本は、せいぜいがとこ50冊くらいしかなかったもので、それ以外のものもなんとなく読むようになっていた、という感じだった。

知識で、なんだか有名で、名作ということは知っていたと思うのだけど、興味のない私にとってはとりあえず読めれば何でもよかった、といううちの一冊だった。
で、それを読んで一気に物語の世界にはまり、というと、話としては面白いのだけれど、残念ながらそうはならず、結局古典文学とか、源氏を初めとしたあの時代のお話に興味を持つのは、もっと後のこと。

今思えば小学校の時に読んだそれは、小学生向きのダイジェストみたいなもので、正直なんの話が載っていたのかさえ覚えていない。
で、その後中学に入ってからはSF流れで新井素子にはまり、その勢いでコバルトを読むようになり、波多野鷹や丘ミキや……そしてジャパネスクへと……行った。
あさきゆめみしを読んだのも、この時期だった気がする。
ということで、中学を卒業する頃には「平安モノも面白いなぁ……」という段階。

さてその次に来たのが、進路の問題だった。
私は高校の一年の前半までは理系志望だったのだ。将来はテンモンガクシャ、とかそんなことを夢見ていた部分が少しまだ残っていたし、中学で科学部、高校で天文部……と理系まっしぐら、だったのだ。
が、そんな私の挫折。それは物理と数学だった。
父の専門が物理で、「物理は点が取れないから面白いだろう」とわけの分からないことを言われ、すっかり嫌いになった私。
進路を文系に変えたものの、じゃあ何をする、と……そこで考えたこと。
好きなことを勉強したい。理科の次に好きなのは? 国語だ。じゃあその中では?
……平安時代だ!

これを短絡と言わずして、なんと言おう。
こうして文系平安文学志望の女子高生が一人誕生したのであった……

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