春を訪ねてむきばんだ(妻木晩田)

むきばんだ史跡公園

先日、例によって美容院(米子)の予約をとったついでに「どうも天気いいし、ついでに行ってくるか~」なノリで、鳥取県西伯郡大山町の妻木晩田(むきばんだ)遺跡へと行ってきました。

https://www.pref.tottori.lg.jp/mukibanda/

米子からすぐ近く

大山町にはなっていますが、米子市内からはとても近く、私の予約していた美容院までは車で20分ほどでした。今回この記事を書くにあたり、あらためて住所を調べるまで、米子市淀江なのだと思っていたほどです。

国道9号線の淀江近隣を走っていると、看板が出てくるので、それを目印に山の方に行くと、史跡公園を中心とした、広大な遺跡にたどり着くことが出来ます。

今回は日曜日ということもあり、やや人は多かったですが、それでも史跡内を歩き回っている分にはマスクも不要な感じで(資料館内は必要)のびのびと春の風を満喫しました。

日本海をのぞむ墳丘墓群

私は大学時代に縁があって、考古学実習を受けたのをきっかけに、発掘調査にも携われたりしたので、ちょっとだけ、考古学というか、この近辺(山陰)の弥生時代が趣味の一つでもあります。

中でも「四隅突出型墳丘墓」という独特の形の墳丘墓(弥生時代の、丘状に作られたお墓。古墳時代になると古墳と言われる)が、当時の対象だったため、四隅突出型墳丘墓、という名前だけで「そわそわ」するんです。

その、四隅突出型墳丘墓が、ここむきばんだにはとても沢山ある。

しかも、大きさも色々で、笑っちゃうくらい小さいのが、ずらーっと並んでいたりするんです。これ、本当にお墓かな? くらいの。

この写真、ふんわり、もこもこした四角が続いているのが分かりますかね。
説明板が貼ってあるんですけど、これが一つ一つがその「墳丘墓」なんです。

在りし日をしのばせるような、石がしっかり残っているものもあります。

上の写真の白い矢印がそれです。ちなみに青い矢印は、真正面に見える弓ヶ浜。お墓に入るなら、こんな絶景(当時がどうだったのかは分からないのですが)のお墓に入りたい。

ここの辺りが、資料館などと近い、一番高い辺りになります。

そもそも集落跡として、とても大きい

鳥取県には、こちらと、もう一つ、鳥取市に近い所に「青谷上寺地遺跡」というのがありまして、その二つで双璧なのですが、このむきばんだ遺跡は、丘の上ぜんぶが「遺跡」となっていて、集落跡(住居跡)、墳丘墓が混在しているんですよね。

上記で私が発掘に携わった墳丘墓群は、集落はどこにあったか分からないので(市内のどこかだろうとは思われているのですが、墳墓群の近くには、それらしき遺跡はないので、墓の主役たちが、どこで生活していたのかは不明)、墓があり、生活の場があり、というのはとても魅力なんです。

ということで、ここにはそういった住居跡(高床式倉庫や竪穴式住居)もたくさんあり、復元もされています。

これは、さっきの所より、少し下った、下端のあたりに環濠があるのですが、その辺りに復元された、2棟の高床式倉庫です。ここからも、弓ヶ浜が目の前に見下ろせます。

竪穴式住居も、復元されており、ほぼ当時の姿見ることが出来ます。

中はこんな感じ。

完全に中に入ってしまうのは少し怖かったので(某史跡公園の竪穴式住居に入った所、蛇の皮(脱皮の皮だと思う)が5~6吊り下げられており、少しトラウマになっている)入り口から。

でも、子供さんなどは、めちゃくちゃはしゃいで、出たり入ったりしていました。

遺跡萌えか、発掘萌えか

今回新しく行ったのですが(いつからあったか分からないけど、割と新しかったので、最近かも知れない)さっきの墳墓群とは逆方向に、新しく「遺構展示館」というものが出来ていました。このエリアでも、集落が復元されており、さらにそこより少し高くなったところに「遺構展示館」があります。

この遺構展示館というのは、要は「昔の姿」を見てね、ではなく「発掘したら、こうなりますよ、これでこういうのが分かりますよ、こんな感じですよ」という発掘の現場を再現(というか保存)したものです。

発掘というと「徳川埋蔵金のテレビ見たー」なんていう方は「パワーショベルでどっかんどっかん」みたいな印象を持たれてるかも知れないのですが、実際には、手で掘っていくし「ここら辺、何か出そうじゃない?」となったら、コテ→ヘラ(図工で使う粘土ベラ)→竹串→ハケ、みたいな「掘る」という印象とは大きく違う「繊細な道具」を使うことになります(私は、ハケレベルの作業はさせてもらったことはありません/専攻生ではなかったので)

遺跡というものは、そもそも「古代の人の存在感」を感じて、面白くはあり、今までの考古学のこういう公園とか史跡のようなものは、それを感じさせる工夫というのは沢山あったと思うのですが(上で書いた、復元した竪穴式住居に入れる、とかがそういうことだと思います)ここのような「発掘」という作業にも「近く感じる」工夫があるといいなぁ、と思う展示となっていました。

鏡も、こんな感じ、と展示してありました。

また、掘るときは「真下」を掘っていくので、その目線になれるよう、透明な床も。

こういう展示を見て、将来の考古学を学ぶ子どもたちが育ち、今はまだ分からない沢山のことが分かるようになってくるといいなぁ、と珍しく私にしては未来を見るような気持ちになったひと時でした。

さて、この後美容院に行ったのですが、なんせこの「4月?」くらいの暖かさなのが分かっていたので、急遽その足で松江のビジネスホテルに泊まり、翌日は冒頭で少し書いた、出雲の遺跡を二か所回ってきました。

しばらく、このお話にお付き合いください。

本日もお読みいただきましてありがとうございます。



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如月 ローズ
文章も書く、ソムリエ料理研究家
岡山県のスーパーマーケットで販促のお仕事をしています。社内での講師を中心に酒と食の楽しさをお伝えしています。
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