風俗博物館 Costume Museum

前回の記事でご紹介しました、三日目の風俗博物館。

なかなかにマニアックな博物館でしたが、源氏物語好きとしては「たまらん」博物館だったので、別記事といたします。

二日目までにお礼参りをほぼ終えて、三日目は源氏物語散歩。 大河の紫式部の影響で、最近源氏物語関連の本が、書店に並んでいることが多いの...

前回の記事でちらっと書きましたが、こちら源氏物語で六條院と聞いたら女主人たちが思いうかべられるくらいに源氏物語を好きな方には、ぜひとも行っていただきたい。

あ、前回の記事では六条院と書きましたが、こちらの博物館では六條院となっていましたので、そちらに統一いたします。

こじんまりとした博物館です

こちらの場所は、東本願寺と西本願寺のちょうど間のあたりになります。駅からは十分徒歩圏内。

サイトはこちら。

https://www.iz2.or.jp

入館料を払った窓口で「写真OKですからね」と言っていただいたので(でも、気づくと見入っていて、あまり撮っていなかった)これは覚えておきたいかも……というところでは写真撮らせていただいたので、そちらもあわせつつご紹介します。

展示の内容

タイトルにもつけていますように、こちらの博物館の英語名はCostumeMuseum ということで直訳すると衣装博物館? 一番目を引くのはとにかく美しい十二単の数々です。

と言っても、ほとんどは1/4展示なのですが、少し現物大のものもあります。

入ってすぐに、もう、これは!! と思ったのが、前回の記事でも紹介した「御簾越しの十二単」です。

いやもうこれね、マネキンが美人さんなのはもちろんなのですが、こんなの、めっちゃドキドキするでしょう!? 夜目遠目御簾の内、ですよ。

で、ぐるっと回ってみてて気づく。黒髪、すごい。

黒くて豊かで長い髪が美人の条件だったというのはご存じの方も多いと思うんですが、装束がきらびやかで色が多い分、黒髪が映えるし、アクセントになるし、上の写真とおなじ等身大の十二単なのですが、顔見えなくても、そりゃ見たくなるわ……という感じで、ちょっと興奮してしまいました。

この後ろ姿にときめいて、前に回ったら御簾越しの上の写真だったら、たまらんくないですか?

1/4模型のメインは紫の上の法華経千部供養

六條院の生活、ということにはなっているんですが、作中での千部供養は二條院。いいんかなと思ったのですが、六條院ということになると、これが4つ要るわけで、いただいたパンフレットは「春の町」を拡大した感じになっていましたが、そのあたりは雰囲気です。

まぁ建物の構造としては一緒ということなのでしょう。

で、表では千部供養が厳かに行われているのですが、裏に回ると訪れた明石のお方や、花散里のお方がいらっしゃり、そこで「当時の衣装とか、寝殿造の様子などをご紹介」という感じになっています。

こちら左奥が明石のお方で、手前の少年は、紫の上のお使いに来た幼き匂宮です。

さらに細かい風俗のゾーンへ

ここからさらに、奥へと進み、細かい風俗の展示ゾーンに入ります。

ただ、あくまでも表では法華八講が行われている寝殿造りの裏、という作りになっているので、逆に芸が細かい。

芸の細かい釣り香炉(最初薬玉かと思った)とか、右の女房は、香を装束に焚き染めているところでした。香も当時の重要な風俗。

ここから、ちょっと変わって、竹取物語の模型があったり、かさねの種類の展示があったりして、やがて表に戻ります。

表の反対側

紫の上の法華経千部供養は左半分なのですが、右半分には明石の女御(光源氏と、明石のお方の娘。紫の上の養女となり、入内した)のご出産の様子などがあります。

法華経の千部供養が、紫の上の死期を悟った上での華やかな式典の一方、こちらは真っ白な世界の「生命の誕生」で、間にあるのが(ゾーンとしては千部供養ですが)陵王の舞の様子、ということで、なんとも心憎いというか、いろいろなことを考えさせられる展示になっていました。

また、もともと(高校時代に)すごく好きだったかさね色目の展示などもかなりあり、帰りには本も購入(上記リンクのWebショップにある「六條院へ出かけよう」という本です)源氏物語の世界にどっぷり浸かった半日となりました。

本日もお読みいただきましてありがとうございます。

如月 ローズ
書くの大好きソムリエ&料理研究家。文章長め、肴多し。
現在岡山県のスーパーマーケットでシステムのお仕事をしています。
※(2019年11月より骨髄線維症治療に伴う造血幹細胞移植のため休職、2021年春仕事に復帰しました)
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