私にとっての源氏物語 2

さてそうやって、文系国文学志望になった、高校二年の私。
とは言っても天文部をやめたわけではなし、その他にも詩もどきを書いたり、文芸部や演劇部にちょっと片足をつっこんでみたり、という体育系とは縁がないながらも、文化系のクラブ活動をエンジョイ(笑)しまくり。
相変わらず読書傾向はなんでもあり、というよりはむしろ、一時期よりは読書量が落ちた始末の高校時代でした。
さてそして冬の時代到来。そうです私は受験生。

当時はまだ「共通一次試験」の時代で。(あ゛~ 年がばれる!)
で、ふと気付いた。古典は内容を知っていると高得点が取れる、ということに。おおむね意味を書けとか、この時のこれはどういうことかとか、そういう質問が主なのだから。
で、単純な私が思ったこと。
「古典なんて数に限りがある。大学受験、それも共通一次なんかに使うのは、ある程度のレベルの作品に違いない。」→読破してしまおう。
……なんて無謀な。
が、その当時の私にとっては、これは大発見の気分(←おバカ)

そしてその日から、古典文学への挑戦が始まったのです。

そして久々の源氏物語との再会。それはなんと、家にあった「谷崎源氏」でございました。
母が好きだったようで、古っぽい装丁の、当初は白かったはずの紙も茶色く変質した、それでも薄紙のかかったハードカバー。そしてそれを、内容を理解したいが一心で読みふける毎日。
ぶっちゃけほとんど苦行。いや、こんなことを言っては失礼だけど。
でも実のところ、当時の私にとっては、谷崎源氏の文章は、まぁ少なく見積もっても半分は古語みたいなもので。

そう、そしてこの時点で、源氏物語は私にとって、「全巻を通じて読んで面白い」というものではなくなってしまい、そしてそれは逆に、「面白いところを拾い読みできる物語」であるということも意味していたのです。

まだまだ続く

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする