引き続き、源氏物語を書いた本のご紹介です。
私の持っている源氏関係のほとんどは、「瀬戸内寂聴」「田辺聖子」の両氏のものなのですが、この方は最近知りました。
まずタイトルが面白いし、その次に表紙が「ちょっとイッちゃってる少女漫画風イラスト」で、目を惹かれます。
前回ご紹介した「わたしの源氏物語」が「優美端麗」路線なら、これは「勢いブッタ切り」路線とでも言いましょうか。
語り口はやっぱりその分(?)軽いです。が、実のところしっかりと読んでみると、そこにはすごくアカデミックな視点というか、そういうものがあって、なるほどなぁ、と唸らされてしまいます。特に社会学(それも家族社会学)などの視点には目から鱗、という感じ。
中で私がおっ? と感じた項目は、「朱雀帝」「頭の中将」の二人のところ。(別々の章です)
私の興味はもっぱら今までも女君に向いてまして、女君だったらちょっとしか出てこない人でも色々と語れるくらいそこは読んでいるのですが、男の人と言えば……ゴメンナサイ「刺身のツマ」扱いです……
とは言っても、元来「いい男」好きなので(笑)興味がないはずはないんですけど。
で、そこにこの本です。
頭の中将をばっさり「体育会系」、朱雀帝をばっさりと「母性の父」と切ってあるあたり、「え? そんな風に読めたっけ?」ともう一度本を読み直したくなります。(他にも色々な言い方は、されています)
この本を読んで、まだまだ源氏にはわたしの知らない世界がある、と強く感じさせられた本でした。