出雲王の墓かもしれない四隅突出型墳丘墓の西谷墳墓群と弥生の森博物館

弥生の森博物館

さて、出雲一泊二日の最後は、出雲市の「西谷墳墓群」にある、弥生の森博物館と、その近辺の墳丘墓。こちらは、大学時代に履修した考古学実習で、しばらく考古学にはまり、ちょうどこの西谷墳墓群の中でも3号墓の発掘(最終)をやっていたので、とても思い出深い場所です。

当時はただの野山でしたが、その後価値が認められ、周辺の調査や整備も進み、今は博物館も出来て、すっかりのどかないい公園になっています。

以前に行った時(というか、最初に行った時)の話は、以前のブログにまとめてあります。

また、博物館のサイトはこちら

https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1244161923233/index.html

まずは博物館

こちらの博物館は、常設展は入館無料ですが、この西谷墳墓群から発掘されたあれこれが展示されており、見ごたえは十分。

今は新型コロナウィルス対策で、一部使えなかったり出来ないことがあったりするのですが、比較的新しい施設であることもあり、オーディオビジュアルも結構豊富です。

そして、2階のメイン(と私が思っている)が大きなジオラマです。
上で紹介した記事におおむね書いているのですが、久しぶりだったので、今回も舐めるように見てしまいました。

祭祀の様子とか。

上の記事では書いたものの、写真がなかった「柱を立てている所」とか。

西谷墳墓群の写真では、検索するとよく出てくるものに「四つの穴(柱穴)があって、そこに人が入っているもの」というのがあるのですが、その四つの穴に実際に柱を立てたらこんな感じ、というジオラマです。

副葬品も充実

あと、こちらは副葬品の展示も充実しており、一時は出雲古代歴史博物館(れきはく)に保管されていたそれらの品々が、ここ、西谷の地に帰ってきています。

この左側の管玉(首飾り)は、発見された時私も現地にいたので、特に思い入れの深いものになります。

首飾りの右下、「ガ」の字のすぐ左上、ちょっと「ぼやっ」とした感じになっていますよね、他の玉と比べて。これ、ここが一番最初に出てきた所なんです。
めちゃくちゃ水銀朱が大量に出ているので「どこで何が出るか分からない」ということで、専攻生たちが竹串で少しずつ掘って行ってたんですが、やっぱり最初に出た時は、ちょっと削っちゃったんですよね。なので、この「ぼやっ」とした所、砕けて少し右に飛び散っているので「ぼやっ」と見えるんです。

あと、このガラス、完全に腐食してはいたのですが、色はとてもきれいな水色で、遺構の暗い穴の中でも、かなり「バシ」って感じで光って見えたのを覚えています(特にバックがこの赤なので、とても対比的だった)

あ、ちなみに鉄剣は私は現地では見られませんでした(専攻生ではなかったので、通期で参加していたわけではないため)

で、やっぱり「ここ、面白い~」となって、興奮状態で、本を一冊衝動買い。

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帰った翌日に一気読みしてしまいました。

外の「現場」へ

博物館を出たら、道を挟んで反対側、すっかり整備された墳墓群に上がることが出来ます。

写真はなつかしの3号墓。と言っても、もはや面影はないのですが(笑)、……というか、当時は森の中の小高い山、のてっぺんにざっくり穴(遺構)みたいな感じだったので、面影がない、というよりは「立派になって……!」の方が近いかも知れません。

ここ(写真を撮った時点)で、かなり見晴らしがよく(西側は出雲商業高校があるのですが、少し木立があるとはいえ、かなり吹きっさらし)風がめちゃくちゃ強い。

でも、天気は良くて、座るととても気持ち良かったので、真ん中の「平べったい石」に座って、少し日向ぼっこをしました。途中、市職員? みたいな方が来られたんですが、それ以外は人もおらず、とにかく静か。春満喫です。

で、てっぺんに登って、となりの二号墓や、斐伊川の方を見て、気持ちが済んだので二号墓の中へ。ここで女王様に拝謁です。

以前に二号墓は、発掘されていた時にお邪魔したことがあったので、ここも「立派になって……」な感じです。残されていた感じが、二号墓と三号墓は全然違ったので(しかも当時すでに三号墓は整備され始めていたし)あそこがこうなったんだよなぁ、としみじみします。

あ。ちなみに上のリンク記事で「消える」と書いているのはこれ。あと、胸の上に首飾りが置いてあり、これが「ああ」なる、というイメージもしてもらいやすいかと思います。

虎落笛?

と、全然関係ない話。俳句の冬の季語で虎落笛(もがりぶえ)というのがあるのですが「雰囲気分かるけど、実際にどこで聞いたかなぁ」などと、その季語を見た時は思ってました。

が、この墳墓群で、めちゃくちゃ「ぴゅーーーー」「ぴーーー」って鳴ってるんですよ。「うわ、これが『虎落笛』じゃん」と思いながら日向ぼっこしてたんですが、2号墓に行く途中「え、今真横で鳴ってる」「あ、遠くなった」っていう風になって「え、遠くで鳴ってるんじゃなくて、何か、ここらへんで鳴ってる」と思ったら、正体これでした。

木の柵です。ここだけ10mくらい、出雲商業高校のグラウンドに面していて、木立が切れてるんですよ(後ろに写ってるのがグラウンド)で、この、木と木を組んだ丸い部分の隙間に、どうやら風が吹き込んで、笛状態になっているみたいです。

木立があるところはほとんど鳴ってなかったので(柵自体はずーっとある)、本当に「笛の原理で、風で音が鳴る」「木立は風に対して、効果がある(たとえ冬木でも)」ということが実感できて、なんか少し感動しました。

最後、弥生関係ない話ですけど、勉強になった、という話でした。
本日もお読みいただきましてありがとうございます。

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如月 ローズ
文章も書く、ソムリエ料理研究家
岡山県のスーパーマーケットで販促のお仕事をしています。社内での講師を中心に酒と食の楽しさをお伝えしています。
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